使徒の働き 21章

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40節
22章
1

私たちは、彼らと別れて船出した。コスに直航し、翌日ロドスに着き、そこからパタラに渡った。

2

そこにはフェニキア行きの船があったので、それに乗って出発した。

3

やがてキプロスが見えてきたが、それを左にして通過し、シリアに向かって航海を続け、ツロに入港した。ここで船は積荷を降ろすことになっていた。

4

私たちは弟子たちを探して、そこに七日間滞在した。彼らは御霊に示されて、エルサレムには行かないようにとパウロに繰り返し言った。

5

滞在期間が終わると、私たちはそこを出て、また旅を続けた。彼らはみな、妻や子どもたちと一緒に町の外まで私たちを送りに来た。そして海岸でひざまずいて祈ってから、

6

互いに別れを告げた。私たちは船に乗り込み、彼らは自分の家に帰って行った。

7

私たちはツロからの航海を終えて、プトレマイスに着いた。そこの兄弟たちにあいさつをして、彼らのところに一日滞在した。

8

翌日そこを出発して、カイサリアに着くと、あの七人の一人である伝道者ピリポの家に行き、そこに滞在した。

9

この人には、預言をする未婚の娘が四人いた。

10

かなりの期間そこに滞在していると、アガボという名の預言者がユダヤから下って来た。

11

彼は私たちのところに来て、パウロの帯を取り、自分の両手と両足を縛って言った。「聖霊がこう言われます。『この帯の持ち主を、ユダヤ人たちはエルサレムでこのように縛り、異邦人の手に渡すことになる。』」

12

これを聞いて、私たちも土地の人たちもパウロに、エルサレムには上って行かないようにと懇願した。

13

すると、パウロは答えた。「あなたがたは、泣いたり私の心をくじいたりして、いったい何をしているのですか。私は主イエスの名のためなら、エルサレムで縛られるだけでなく、死ぬことも覚悟しています。」

14

彼が聞き入れようとしないので、私たちは「主のみこころがなりますように」と言って、口をつぐんだ。

15

数日後、私たちは旅支度をしてエルサレムに上って行った。

16

カイサリアの弟子たちも何人か私たちに同行して、古くからの弟子である、キプロス人ムナソンのところに案内してくれた。私たちはそこに泊まることになっていたのである。

17

私たちがエルサレムに着くと、兄弟たちは喜んで迎えてくれた。

18

翌日、パウロは私たちを連れて、ヤコブを訪問した。そこには長老たちがみな集まっていた。

19

彼らにあいさつしてから、パウロは自分の奉仕を通して神が異邦人の間でなさったことを、一つ一つ説明した。

20

彼らはこれを聞いて神をほめたたえ、パウロに言った。「兄弟よ。ご覧のとおり、ユダヤ人の中で信仰に入っている人が何万となくいますが、みな律法に熱心な人たちです。

21

ところが、彼らがあなたについて聞かされているのは、あなたが、異邦人の中にいるすべてのユダヤ人に、子どもに割礼を施すな、慣習にしたがって歩むなと言って、モーセに背くように教えている、ということなのです。

22

それで、どうしましょうか。あなたが来たことは、必ず彼らの耳に入るでしょう。

23

ですから、私たちの言うとおりにしてください。私たちの中に、誓願を立てている者が四人います。

24

この人たちを連れて行って、一緒に身を清め、彼らが頭を剃る費用を出してあげてください。そうすれば、あなたについて聞かされていることは根も葉もないことで、あなたも律法を守って正しく歩んでいることが、皆に分かるでしょう。

25

信仰に入った異邦人に関しては、偶像に供えたものと、血と、絞め殺したものと、淫らな行いを避けるべきであると決定し、すでに書き送りました。」

26

そこで、パウロはその人たちを連れて行き、翌日、彼らとともに身を清めて宮に入った。そして、いつ、清めの期間が終わって、一人ひとりのためにささげ物をすることができるかを告げた。

27

ところが、その七日の期間が終わろうとしていたとき、アジアから来たユダヤ人たちは、パウロが宮にいるのを見ると、群衆をみな扇動して、彼に手をかけ、

28

こう叫んだ。「イスラエルの皆さん、手を貸してください。この男は、民と律法とこの場所に逆らうことを、いたるところで皆に教えている者です。そのうえ、ギリシア人を宮の中に連れ込んで、この神聖な場所を汚しています。」

29

彼らは、エペソ人のトロフィモが町でパウロと一緒にいるのを以前に見かけていて、パウロが彼を宮に連れ込んだと思ったのである。

30

そこで町中が大騒ぎになり、人々は殺到してパウロを捕らえ、宮の外へ引きずり出した。すると、ただちに宮の門が閉じられた。

31

彼らがパウロを殺そうとしていたとき、エルサレム中が混乱状態に陥っているという報告が、ローマ軍の千人隊長に届いた。

32

彼はただちに、兵士たちと百人隊長たちを率いて、彼らのところに駆けつけた。人々は千人隊長と兵士たちを見て、パウロを打つのをやめた。

33

千人隊長は近寄ってパウロを捕らえ、二本の鎖で縛るように命じた。そして、パウロが何者なのか、何をしたのかと尋ねた。

34

しかし、群衆はそれぞれに違ったことを叫び続けていた。千人隊長は、騒がしくて確かなことが分からなかったので、パウロを兵営に連れて行くように命じた。

35

パウロが階段にさしかかったとき、群衆の暴行を避けるために、兵士たちは彼を担ぎ上げなければならなかった。

36

大勢の民衆が、「殺してしまえ」と叫びながら、ついて来たからである。

37

兵営の中に連れ込まれようとしたとき、パウロが千人隊長に「少しお話ししてもよいでしょうか」と尋ねた。すると千人隊長は、「おまえはギリシア語を知っているのか。

38

では、おまえは、近ごろ暴動を起こして、四千人の暗殺者を荒野に連れて行った、あのエジプト人ではないのか」と言った。

39

パウロは答えた。「私はキリキアのタルソ出身のユダヤ人で、れっきとした町の市民です。お願いです。この人たちに話をさせてください。」

40

千人隊長が許したので、パウロは階段の上に立ち、静かにするよう民衆を手で制した。そして、すっかり静かになったとき、ヘブル語で次のように語りかけた。