ヨハネによる福音書 19章

John 章 19
18章
19章
42節
20章
1

それでピラトは、イエスを捕らえてむちで打った。

2

兵士たちは、茨で冠を編んでイエスの頭にかぶらせ、紫色の衣を着せた。

3

彼らはイエスに近寄り、「ユダヤ人の王様、万歳」と言って、顔を平手でたたいた。

4

ピラトは、再び外に出て来て彼らに言った。「さあ、あの人をおまえたちのところに連れて来る。そうすれば、私にはあの人に何の罪も見出せないことが、おまえたちに分かるだろう。」

5

イエスは、茨の冠と紫色の衣を着けて、出て来られた。ピラトは彼らに言った。「見よ、この人だ。」

6

祭司長たちと下役たちはイエスを見ると、「十字架につけろ。十字架につけろ」と叫んだ。ピラトは彼らに言った。「おまえたちがこの人を引き取り、十字架につけよ。私にはこの人に罪を見出せない。」

7

ユダヤ人たちは彼に答えた。「私たちには律法があります。その律法によれば、この人は死に当たります。自分を神の子としたのですから。」

8

ピラトは、このことばを聞くと、ますます恐れを覚えた。

9

そして、再び総督官邸に入り、イエスに「あなたはどこから来たのか」と言った。しかし、イエスは何もお答えにならなかった。

10

そこで、ピラトはイエスに言った。「私に話さないのか。私にはあなたを釈放する権威があり、十字架につける権威もあることを、知らないのか。」

11

イエスは答えられた。「上から与えられていなければ、あなたにはわたしに対して何の権威もありません。ですから、わたしをあなたに引き渡した者に、もっと大きな罪があるのです。」

12

ピラトはイエスを釈放しようと努力したが、ユダヤ人たちは激しく叫んだ。「この人を釈放するのなら、あなたはカエサルの友ではありません。自分を王とする者はみな、カエサルに背いています。」

13

ピラトは、これらのことばを聞いて、イエスを外に連れ出し、敷石、ヘブル語でガバタと呼ばれる場所で、裁判の席に着いた。

14

その日は過越の備え日で、時はおよそ第六の時であった。ピラトはユダヤ人たちに言った。「見よ、おまえたちの王だ。」

15

彼らは叫んだ。「除け、除け、十字架につけろ。」ピラトは言った。「おまえたちの王を私が十字架につけるのか。」祭司長たちは答えた。「カエサルのほかには、私たちに王はありません。」

16

ピラトは、イエスを十字架につけるため彼らに引き渡した。 彼らはイエスを引き取った。

17

イエスは自分で十字架を負って、「どくろの場所」と呼ばれるところに出て行かれた。そこは、ヘブル語ではゴルゴタと呼ばれている。

18

彼らはその場所でイエスを十字架につけた。また、イエスを真ん中にして、こちら側とあちら側に、ほかの二人の者を一緒に十字架につけた。

19

ピラトは罪状書きも書いて、十字架の上に掲げた。それには「ユダヤ人の王、ナザレ人イエス」と書かれていた。

20

イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がこの罪状書きを読んだ。それはヘブル語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。

21

そこで、ユダヤ人の祭司長たちはピラトに、「ユダヤ人の王と書かないで、この者はユダヤ人の王と自称したと書いてください」と言った。

22

ピラトは答えた。「私が書いたものは、書いたままにしておけ。」

23

さて、兵士たちはイエスを十字架につけると、その衣を取って四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。また下着も取ったが、それは上から全部一つに織った、縫い目のないものであった。

24

そのため、彼らは互いに言った。「これは裂かないで、だれの物になるか、くじを引こう。」これは、 「彼らは私の衣服を分け合い、 私の衣をくじ引きにします」 とある聖書が成就するためであった。それで、兵士たちはそのように行った。

25

イエスの十字架のそばには、イエスの母とその姉妹、そしてクロパの妻マリアとマグダラのマリアが立っていた。

26

イエスは、母とそばに立っている愛する弟子を見て、母に「女の方、ご覧なさい。あなたの息子です」と言われた。

27

それから、その弟子に「ご覧なさい。あなたの母です」と言われた。その時から、この弟子は彼女を自分のところに引き取った。

28

それから、イエスはすべてのことが完了したのを知ると、聖書が成就するために、「わたしは渇く」と言われた。

29

酸いぶどう酒がいっぱい入った器がそこに置いてあったので、兵士たちは、酸いぶどう酒を含んだ海綿をヒソプの枝に付けて、イエスの口もとに差し出した。

30

イエスは酸いぶどう酒を受けると、「完了した」と言われた。そして、頭を垂れて霊をお渡しになった。

31

その日は備え日であり、翌日の安息日は大いなる日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に死体が十字架の上に残らないようにするため、その脚を折って取り降ろしてほしいとピラトに願い出た。

32

そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた一人目の者と、もう一人の者の脚を折った。

33

イエスのところに来ると、すでに死んでいるのが分かったので、その脚を折らなかった。

34

しかし兵士の一人は、イエスの脇腹を槍で突き刺した。すると、すぐに血と水が出て来た。

35

これを目撃した者が証ししている。それは、あなたがたも信じるようになるためである。その証しは真実であり、その人は自分が真実を話していることを知っている。

36

これらのことが起こったのは、「彼の骨は、一つも折られることはない」とある聖書が成就するためであり、

37

また聖書の別のところで、「彼らは自分たちが突き刺した方を仰ぎ見る」と言われているからである。

38

その後で、イエスの弟子であったが、ユダヤ人を恐れてそれを隠していたアリマタヤのヨセフが、イエスのからだを取り降ろすことをピラトに願い出た。ピラトは許可を与えた。そこで彼はやって来て、イエスのからだを取り降ろした。

39

以前、夜イエスのところに来たニコデモも、没薬と沈香を混ぜ合わせたものを、百リトラほど持ってやって来た。

40

彼らはイエスのからだを取り、ユダヤ人の埋葬の習慣にしたがって、香料と一緒に亜麻布で巻いた。

41

イエスが十字架につけられた場所には園があり、そこに、まだだれも葬られたことのない新しい墓があった。

42

その日はユダヤ人の備え日であり、その墓が近かったので、彼らはそこにイエスを納めた。