ルカによる福音書 12章

Luke 章 12
11章
12章
59節
13章
1

そうしているうちに、数えきれないほどの群衆が集まって来て、足を踏み合うほどになった。イエスはまず弟子たちに話し始められた。「パリサイ人のパン種、すなわち偽善には気をつけなさい。

2

おおわれているもので現されないものはなく、隠されているもので知られずにすむものはありません。

3

ですから、あなたがたが暗闇で言ったことが、みな明るみで聞かれ、奥の部屋で耳にささやいたことが、屋上で言い広められるのです。

4

わたしの友であるあなたがたに言います。からだを殺しても、その後はもう何もできない者たちを恐れてはいけません。

5

恐れなければならない方を、あなたがたに教えてあげましょう。殺した後で、ゲヘナに投げ込む権威を持っておられる方を恐れなさい。そうです。あなたがたに言います。この方を恐れなさい。

6

五羽の雀が、二アサリオンで売られているではありませんか。そんな雀の一羽でも、神の御前で忘れられてはいません。

7

それどころか、あなたがたの髪の毛さえも、すべて数えられています。恐れることはありません。あなたがたは、多くの雀よりも価値があるのです。

8

あなたがたに言います。だれでも人々の前でわたしを認めるなら、人の子もまた、神の御使いたちの前でその人を認めます。

9

しかし、人々の前でわたしを知らないと言う者は、神の御使いたちの前で知らないと言われます。

10

人の子を悪く言う者はだれでも赦されます。しかし、聖霊を冒瀆する者は赦されません。

11

また、人々があなたがたを、会堂や役人たち、権力者たちのところに連れて行ったとき、何をどう弁明しようか、何を言おうかと心配しなくてよいのです。

12

言うべきことは、そのときに聖霊が教えてくださるからです。」

13

群衆の中の一人がイエスに言った。「先生。遺産を私と分けるように、私の兄弟に言ってください。」

14

すると、イエスは彼に言われた。「いったいだれが、わたしをあなたがたの裁判官や調停人に任命したのですか。」

15

そして人々に言われた。「どんな貪欲にも気をつけ、警戒しなさい。人があり余るほど持っていても、その人のいのちは財産にあるのではないからです。」

16

それからイエスは人々にたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作であった。

17

彼は心の中で考えた。『どうしよう。私の作物をしまっておく場所がない。』

18

そして言った。『こうしよう。私の倉を壊して、もっと大きいのを建て、私の穀物や財産はすべてそこにしまっておこう。

19

そして、自分のたましいにこう言おう。「わがたましいよ、これから先何年分もいっぱい物がためられた。さあ休め。食べて、飲んで、楽しめ。」』

20

しかし、神は彼に言われた。『愚か者、おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』

21

自分のために蓄えても、神に対して富まない者はこのとおりです。」

22

それからイエスは弟子たちに言われた。「ですから、わたしはあなたがたに言います。何を食べようかと、いのちのことで心配したり、何を着ようかと、からだのことで心配したりするのはやめなさい。

23

いのちは食べ物以上のもの、からだは着る物以上のものだからです。

24

烏のことをよく考えなさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、納屋も倉もありません。それでも、神は養っていてくださいます。あなたがたには、その鳥よりも、どんなに大きな価値があることでしょう。

25

あなたがたのうちだれが、心配したからといって、少しでも自分のいのちを延ばすことができるでしょうか。

26

こんな小さなことさえできないのなら、なぜほかのことまで心配するのですか。

27

草花がどのようにして育つのか、よく考えなさい。働きもせず、紡ぎもしません。しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも装ってはいませんでした。

28

今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草さえ、神はこのように装ってくださるのなら、あなたがたには、どんなに良くしてくださることでしょう。信仰の薄い人たちよ。

29

何を食べたらよいか、何を飲んだらよいかと、心配するのをやめ、気をもむのをやめなさい。

30

これらのものはすべて、この世の異邦人が切に求めているものです。これらのものがあなたがたに必要であることは、あなたがたの父が知っておられます。

31

むしろ、あなたがたは御国を求めなさい。そうすれば、これらのものはそれに加えて与えられます。

32

小さな群れよ、恐れることはありません。あなたがたの父は、喜んであなたがたに御国を与えてくださるのです。

33

自分の財産を売って施しをしなさい。自分のために、天に、すり切れない財布を作り、尽きることのない宝を積みなさい。天では盗人が近寄ることも、虫が食い荒らすこともありません。

34

あなたがたの宝のあるところ、そこにあなたがたの心もあるのです。

35

腰に帯を締め、明かりをともしていなさい。

36

主人が婚礼から帰って来て戸をたたいたら、すぐに戸を開けようと、その帰りを待っている人たちのようでありなさい。

37

帰って来た主人に、目を覚ましているのを見てもらえるしもべたちは幸いです。まことに、あなたがたに言います。主人のほうが帯を締め、そのしもべたちを食卓に着かせ、そばに来て給仕してくれます。

38

主人が真夜中に帰って来ても、夜明けに帰って来ても、そのようにしているのを見てもらえるなら、そのしもべたちは幸いです。

39

このことを知っておきなさい。もしも家の主人が、泥棒の来る時間を知っていたら、自分の家に押し入るのを許さないでしょう。

40

あなたがたも用心していなさい。人の子は、思いがけない時に来るのです。」

41

そこで、ペテロが言った。「主よ。このたとえを話されたのは私たちのためですか、皆のためですか。」

42

主は言われた。「では、主人によって、その家の召使いたちの上に任命され、食事時には彼らに決められた分を与える、忠実で賢い管理人とは、いったいだれでしょうか。

43

主人が帰って来たときに、そのようにしているのを見てもらえるしもべは幸いです。

44

まことに、あなたがたに言います。主人はその人に自分の全財産を任せるようになります。

45

もし、そのしもべが心の中で、『主人の帰りは遅くなる』と思い、男女の召使いたちを打ちたたき、食べたり飲んだり、酒に酔ったりし始めるなら、

46

そのしもべの主人は、予期していない日、思いがけない時に帰って来て、彼を厳しく罰し、不忠実な者たちと同じ報いを与えます。

47

主人の思いを知りながら用意もせず、その思いどおりに働きもしなかったしもべは、むちでひどく打たれます。

48

しかし、主人の思いを知らずにいて、むち打たれるに値することをしたしもべは、少ししか打たれません。多く与えられた者はみな、多くを求められ、多く任された者は、さらに多くを要求されます。

49

わたしは、地上に火を投げ込むために来ました。火がすでに燃えていたらと、どんなに願っていることでしょう。

50

わたしには受けるべきバプテスマがあります。それが成し遂げられるまで、わたしはどれほど苦しむことでしょう。

51

あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思っていますか。そうではありません。あなたがたに言いますが、むしろ分裂です。

52

今から後、一つの家の中で五人が二つに分かれ、三人が二人に、二人が三人に対立するようになります。

53

父は息子に、息子は父に対立し、母は娘に、娘は母に対立し、姑は嫁に、嫁は姑に対立して分かれるようになります。」

54

イエスは群衆にもこう言われた。「あなたがたは、西に雲が出るのを見るとすぐに、『にわか雨になる』と言います。そしてそのとおりになります。

55

また南風が吹くと、『暑くなるぞ』と言います。そしてそのとおりになります。

56

偽善者たちよ。あなたがたは地と空の様子を見分けることを知っていながら、どうして今の時代を見分けようとしないのですか。

57

あなたがたは、何が正しいか、どうして自分で判断しないのですか。

58

あなたを訴える人と一緒に役人のところに行くときは、途中でその人と和解するように努めなさい。そうでないと、その人はあなたを裁判官のもとにひっぱって行き、裁判官はあなたを看守に引き渡し、看守はあなたを牢に投げ込みます。

59

あなたに言います。最後の一レプタを支払うまで、そこから出ることは決してできません。」