列王記下 9章

2 Kings 章 9
8章
9章
37節
10章
1

預言者エリシャは預言者の仲間たちの一人を呼んで言った。「腰に帯を締め、手にこの油の壺を持って、ラモテ・ギルアデに行きなさい。

2

そこに行ったら、ニムシの子ヨシャファテの子エフーを見つけなさい。家に入って、その同僚たちの中から彼を立たせ、奥の間に連れて行き、

3

油の壺を取って、彼の頭の上に油を注いで言いなさい。『主はこう言われる。わたしはあなたに油を注いでイスラエルの王とする。』それから、戸を開け、ぐずぐずしていないで逃げなさい。」

4

その若者、預言者に仕える若者は、ラモテ・ギルアデに行った。

5

彼が来てみると、ちょうど、軍の高官たちが会議中であった。彼は言った。「隊長、申し上げることがございます。」エフーは言った。「このわれわれのうちのだれにか。」若者は「隊長、あなたにです」と答えた。

6

エフーは立って、家に入った。そこで若者は油をエフーの頭に注いで言った。「イスラエルの神、主はこう言われる。『わたしはあなたに油を注いで、主の民イスラエルの王とする。

7

あなたは、主君アハブの家の者を打ち殺さなければならない。こうしてわたしは、わたしのしもべである預言者たちの血、イゼベルによって流されたすべての主のしもべたちの血の復讐をする。

8

それでアハブの家はことごとく滅び失せる。わたしは、イスラエルの中の、アハブに属する小童から奴隷や自由の者に至るまでを絶ち滅ぼし、

9

アハブの家をネバテの子ヤロブアムの家のように、またアヒヤの子バアシャの家のようにする。

10

犬がイズレエルの地所でイゼベルを食らい、彼女を葬る者はだれもいない。』」こう言って、彼は戸を開けて逃げた。

11

エフーが彼の主君の家来たちのところに出て来ると、一人が彼に尋ねた。「何事もなかったのですか。あの気のふれた者は何のために来たのですか。」すると、エフーは彼らに答えた。「あなたたちは、あの男も、あの男の言ったこともよく知っているはずだ。」

12

彼らは言った。「噓でしょう。われわれに教えてください。」そこで、彼は答えた。「あの男は私にこんなことを言った。『主はこう言われる。わたしはあなたに油を注いで、イスラエルの王とする』と。」

13

すると、彼らはみな大急ぎで自分の上着を脱ぎ、入り口の階段にいた彼の足もとに敷き、角笛を吹き鳴らして、「エフーは王である」と言った。

14

こうして、ニムシの子ヨシャファテの子エフーは、ヨラムに対して謀反を起こした。先にヨラムはイスラエル全軍を率いて、ラモテ・ギルアデでアラムの王ハザエルを防いだが、

15

ヨラム王は、アラムの王ハザエルと戦ったときにアラム人に負わされた傷を癒やすため、イズレエルに帰っていたのである。エフーは言った。「もし、これがあなたたちの本心であるなら、だれもこの町から逃れ出て、イズレエルに知らせに行ってはならない。」

16

それからエフーは車に乗ってイズレエルへ行った。ヨラムがそこで床についていて、ユダの王アハズヤもヨラムを見舞いに下っていたからである。

17

イズレエルのやぐらの上に、一人の見張りが立っていたが、エフーの軍勢がやって来るのを見て、「軍勢が見える」と言った。ヨラムは、「騎兵一人を選んで彼らを迎えに送り、元気かどうか尋ねさせなさい」と言った。

18

そこで、騎兵は彼を迎えに行き、こう言った。「王が、元気かどうか尋ねておられます。」エフーは言った。「元気かどうか、おまえの知ったことではない。私のうしろについて来い。」一方、見張りは報告して言った。「使者は彼らのところに着きましたが、帰って来ません。」

19

そこでヨラムは、もう一人の騎兵を送った。彼は彼らのところに行って言った。「王が、元気かどうか尋ねておられます。」すると、エフーは言った。「元気かどうか、おまえの知ったことではない。私のうしろについて来い。」

20

見張りはまた報告した。「あれは彼らのところに着きましたが、帰って来ません。しかし、車の御し方は、ニムシの子エフーの御し方に似ています。狂ったように御しています。」

21

ヨラムは「馬をつけよ」と命じた。馬が戦車につけられると、イスラエルの王ヨラムとユダの王アハズヤは、それぞれ自分の戦車に乗って出て行った。彼らはエフーを迎えに出て行き、イズレエル人ナボテの所有地で彼に出会った。

22

ヨラムはエフーを見ると、「エフー、元気か」と尋ねた。エフーは答えた。「何が元気か。あなたの母イゼベルの姦淫と呪術が盛んに行われているのに。」

23

それでヨラムは手綱を返して逃げ、アハズヤに「裏切りだ、アハズヤ」と叫んだ。

24

エフーは力いっぱい弓を引き絞り、ヨラムの胸を射た。矢は彼の心臓を射抜いたので、彼は戦車の中に崩れ落ちた。

25

エフーは侍従のビデカルに命じた。「彼を運んで、イズレエル人ナボテの所有地であった畑に投げ捨てよ。思い起こすがよい。私とあなたが馬に乗って彼の父アハブの後に並んで従って行ったときに、主が彼についてこの宣告を下されたことを。

26

『わたしは、昨日、ナボテの血とその子たちの血を確かに見届けた──主のことば──。わたしは、この地所であなたに報復する──主のことば。』それで今、彼を運んで、主が語られたとおり、あの地所に彼を投げ捨てよ。」

27

ユダの王アハズヤはこれを見ると、ベテ・ハ・ガンの道へ逃げた。エフーはその後を追いかけて、「あいつも討ち取れ」と叫んだので、彼らはイブレアムのそばのグルの坂道で、車の上の彼に傷を負わせた。それでも彼はメギドに逃げたが、そこで死んだ。

28

彼の家来たちは彼を車に乗せて、エルサレムに運び、ダビデの町の彼の墓に先祖とともに葬った。

29

アハズヤはアハブの子ヨラムの第十一年に、ユダの王となっていた。

30

エフーがイズレエルに来たとき、イゼベルはこれを聞いて、目の縁を塗り、髪を結い直して、窓から見下ろしていた。

31

エフーが門に入って来たので、彼女は「お元気ですか。主君殺しのジムリ」と言った。

32

彼は窓を見上げて、「だれか私にくみする者はいないか。だれかいないか」と言った。二、三人の宦官が彼を見下ろしていたので、

33

彼が「その女を突き落とせ」と言うと、彼らは彼女を突き落とし、彼女の血が壁や馬にはねかかった。エフーは彼女を踏みつけた。

34

彼は中に入って食べたり飲んだりし、それから言った。「あののろわれた女の世話をしてやれ。彼女を葬ってやれ。あれは王の娘だから。」

35

彼らが彼女を葬りに行ってみると、彼女の頭蓋骨と両足と両手首しか残っていなかったので、

36

帰って来てエフーにこのことを知らせた。するとエフーは言った。「これは、主がそのしもべティシュベ人エリヤによって語られたことばのとおりだ。『イズレエルの地所で犬がイゼベルの肉を食らい、

37

イゼベルの死体は、イズレエルの地所で畑の上にまかれた肥やしのようになり、だれもこれがイゼベルだと言えなくなる。』」