サムエル記下 18章

2 Samuel 章 18
17章
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33節
19章
1

ダビデは自分とともにいる兵を調べて、彼らの上に千人隊の長、百人隊の長を任命した。

2

ダビデは兵の三分の一をヨアブの指揮のもとに、三分の一をヨアブの兄弟である、ツェルヤの子アビシャイの指揮のもとに、三分の一をガテ人イタイの指揮のもとに配置した。王は兵たちに言った。「私自身も、あなたがたと一緒に出陣する。」

3

兵たちは言った。「王様が出陣してはいけません。私たちがどんなに逃げても、彼らは私たちのことは何とも思わないでしょう。私たちの半分が死んでも、彼らは私たちのことは心に留めないでしょう。しかし、今、あなたは私たちの一万人に当たります。今、あなたは町にいて私たちを助けてくださるほうがよいのです。」

4

王は彼らに言った。「あなたがたが良いと思うことを、私はしよう。」王は門のそばに立ち、兵はみな、百人、千人ごとに出て行った。

5

王はヨアブ、アビシャイ、イタイに命じて言った。「私に免じて、若者アブサロムをゆるやかに扱ってくれ。」兵はみな、王が隊長たち全員にアブサロムのことについて命じているのを聞いていた。

6

兵たちはイスラエルに対抗するために戦場へ出て行った。戦いはエフライムの森で行われた。

7

イスラエルの兵たちは、そこでダビデの家来たちに打ち負かされ、その日その場所で多くの者が倒れ、その数は二万人となった。

8

戦いはこの地一帯に広がり、この日、剣よりも密林のほうが多くの者を食い尽くした。

9

アブサロムはダビデの家来たちに出会った。アブサロムはらばに乗っていたが、らばが大きな樫の木の、茂った枝の下を通った。すると、アブサロムの頭が樫の木に引っ掛かり、彼は宙づりになった。彼が乗っていたらばはそのまま行ってしまった。

10

ある男がそれを見て、ヨアブに告げて言った。「今、アブサロムが樫の木に引っ掛かっているのを見ました。」

11

ヨアブは、これを告げた男に言った。「いったい、おまえはそれを見ていて、なぜその場で地に打ち落とさなかったのか。私はおまえに銀十枚と帯一本を与えたのに。」

12

その男はヨアブに言った。「たとえ、私の手に銀千枚をいただいても、王のご子息に手は下せません。王が私たちが聞いているところで、あなたとアビシャイとイタイに、『私のために若者アブサロムを守ってくれ』と言って、お命じになったからです。

13

もし、私が偽って彼のいのちに対して事を起こしていたとしても、王には何も隠すことはできません。あなたは素知らぬ顔をなさるでしょうが。」

14

ヨアブは、「こうしておまえとぐずぐずしてはいられない」と言って、手に三本の槍を取り、まだ樫の木の真ん中に引っ掛かったまま生きていたアブサロムの心臓を突き通した。

15

ヨアブの道具持ちの十人の若者たちも、アブサロムを取り巻いて彼を打ち殺した。

16

ヨアブが角笛を吹き鳴らすと、兵たちはイスラエルを追うのをやめて帰って来た。ヨアブが兵たちを引き止めたからである。

17

彼らはアブサロムを取り降ろし、森の中の深い穴に投げ込み、その上に非常に大きな石塚を積み上げた。イスラエルはみな、それぞれ自分の天幕に逃げ帰っていた。

18

アブサロムは生きていた間、王の谷に自分のために一本の柱を立てていた。「私の名を覚えてくれる息子が私にはいないから」と言っていたからである。彼はその柱に自分の名をつけていた。それは、アブサロムの記念碑と呼ばれた。今日もそうである。

19

ツァドクの子アヒマアツは言った。「私は王のところへ走って行って、主が敵の手から王を救って、王のために正しいさばきをされたことを伝えたいのですが。」

20

ヨアブは彼に言った。「今日、伝えるのではない。ほかの日に伝えよ。今日は伝えないのがよい。王子が死んだのだから。」

21

ヨアブはクシュ人に言った。「行って、あなたの見たことを王に告げよ。」クシュ人はヨアブに礼をして、走り去った。

22

ツァドクの子アヒマアツは再びヨアブに言った。「どんなことがあっても、やはり私もクシュ人の後を追って走って行きたいのです。」ヨアブは言った。「わが子よ、なぜ、あなたは走って行きたいのか。知らせに対して、何のほうびも得られないのに。」

23

「しかし、どんなことがあっても、走って行きたいのです。」ヨアブは「走って行け」と言った。アヒマアツは低地への道を走って行き、クシュ人を追い越した。

24

ダビデは外門と内門の間に座っていた。見張りが城壁の門の屋根に上り、目を上げて見ていると、見よ、ただ一人で走って来る男がいた。

25

見張りが王に大声で告げると、王は言った。「ただ一人なら、吉報だろう。」その者がしだいに近づいて来た。

26

見張りは、別の男が走って来るのを見た。見張りは門衛に叫んだ。「あそこにも、一人で走って来る男がいる。」王は言った。「それも吉報を持って来ているのだろう。」

27

見張りは言った。「最初の者の走り方は、ツァドクの子アヒマアツのもののように見えます。」王は言った。「あれは良い男だ。良い知らせを持って来るだろう。」

28

アヒマアツは王に「平安がありますように」と叫んで、地にひれ伏して、王に礼をした。彼は言った。「あなたの神、主がほめたたえられますように。主は、王様に手向かった者どもを引き渡してくださいました。」

29

王は言った。「若者アブサロムは無事か。」アヒマアツは言った。「ヨアブが王の家来であるこのしもべを遣わしたとき、何か大騒ぎが起こるのを見ましたが、私は何があったのか知りません。」

30

王は言った。「わきへ退いて、ここに立っていなさい。」彼はわきに退いて立っていた。

31

見ると、クシュ人がやって来て言った。「王様にお知らせいたします。主は、今日、あなた様に立ち向かうすべての者の手から、あなた様を救って、あなた様のために正しいさばきをされました。」

32

王はクシュ人に言った。「若者アブサロムは無事か。」クシュ人は言った。「王様の敵、あなた様に立ち向かって害を加えようとする者はみな、あの若者のようになりますように。」

33

王は身を震わせ、門の屋上に上り、そこで泣いた。彼は泣きながら、こう言い続けた。「わが子アブサロム。わが子、わが子アブサロムよ。ああ、私がおまえに代わって死ねばよかったのに。アブサロム。わが子よ、わが子よ。」